電車の窓から見える景色が 流れるようにわたしをとおりこしていく
そんな景色たちを通り越してるのは私だということを忘れてしまうくらい早く
気が付けば私はいるべき場所にいて
立ち止まれば見えたかもしれない景色たちや
会いたいと思った人たちのことは
流れた景色と共に置いてきぼりにした
新しい景色に慣れるのに精一杯で
何かを置いてきぼりにした感情を懐かしいという感情として片付けた
みな時間が惜しくてしたこと
遠回りしないようにとよく考えて選んだ道が思ったよりも私を遠くに導いてしまった
私はそれでもここへ来るべきだったと
確信を確かに握りしめながらも
犠牲にした小さな幸せたちを遠くから見つめて
淋しくなった
もう記憶を通してしか見えなくなった思い出たち
握りしめて
振り返って
懐かしいと呟いて
また、明日の目覚ましをかける
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